PageSpeed Insightsを活用して、BtoBサイトの表示速度を改善する方法

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日々BtoB企業のマーケティングを支援しているなかで、「サイトの表示が遅い気がする」「スマホで開くと重たい」といった相談を受けることがあります。

実際、どんなによいコンテンツや製品情報を用意していても、ページの表示速度が遅いだけで、ユーザーは途中で離脱してしまうというのが今のユーザー行動の現実です。

そうした課題を解決するうえで、とても役に立つのが「PageSpeed Insights」でした。
今回はこのツールの特徴や使い方、そして診断結果をどのように読み解き、対策していくかについて、実務視点でまとめていきたいと思います。

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PageSpeed Insightsとは?

まず簡単に概要から。PageSpeed Insightsは、Googleが提供している無料のWebサイト診断ツールです。
指定したURLを入力すると、ページの表示速度やユーザー体験に関わる指標を自動で数値化してくれる便利な仕組みです。
PCとモバイル、両方の診断が可能で、改善ポイントも具体的に提示してくれるので、技術に詳しくないマーケティング担当者でも使いやすいのが魅力です。
表示されるスコアは100点満点中で評価され、「パフォーマンス」「アクセシビリティ」「ベストプラクティス」「SEO」の4つに分類されます。

表示速度がなぜ重要なのか?

「速ければ良いのは当たり前」と思われるかもしれませんが、特にBtoBにおいては次のような理由で表示速度が大きく影響します。

・スマホ経由のアクセスが増えている:外出先や営業中の確認も増えているため、モバイル環境での表示速度が鍵
・SEOに影響する:表示速度はGoogleの検索順位に直結する「Core Web Vitals」という評価指標の一部
・UX(ユーザー体験)の基本中の基本:表示が遅い=ストレス。信頼感にも影響する

特に、製品紹介ページやフォーム画面など、コンバージョンが関わるページでの影響は想像以上です。


実際にどう使えばいいのか?

ツールの使い方は非常にシンプルです。

・PageSpeed Insights にアクセス
・診断したいページのURLを入力
・「分析」ボタンをクリック
・数秒待つとスコアと改善ポイントが表示される

分析結果には、「実際のユーザーデータに基づく実測値(フィールドデータ)」と、「シミュレーションベースの測定(ラボデータ)」の2種類があります。
とくに着目したいのが「Core Web Vitals」と呼ばれる3つの指標です。

Core Web Vitalsの基本

Core Web Vitalsは、ユーザー体験を数値化したGoogleの評価基準で、以下の3つから構成されます。

・LCP(Largest Contentful Paint):メインの画像や見出しが表示されるまでの時間(理想は2.5秒以内)
・INP(Interaction to Next Paint):ユーザーが操作したあとの応答速度(理想は200ミリ秒以内)
・CLS(Cumulative Layout Shift):レイアウトのズレやブレの少なさ(理想は0.1未満)

これらを改善していくことで、「速く、安定して、操作しやすい」ページに近づけることができます。

よく見かける課題と改善アプローチ

診断をしてみると、意外とよく出てくる項目があります。ここではいくつかピックアップして解説します。

・JavaScriptの実行時間が長すぎる
過剰なアニメーションや、読み込み不要な外部ツールが原因の場合があります。
不要なスクリプトの削除や、読み込みの遅延設定(defer、async)の活用がおすすめです。

・画像が重い
とくにトップページに高解像度の写真をそのまま使っていると、読み込みに時間がかかります。
WebPやAVIFなどの軽量フォーマットに変換する、レスポンシブ画像で出し分けると効果的です。

・CSSが使われていないまま残っている
長年運用しているサイトに多く、使われていないスタイルが蓄積してしまっているケースです。
未使用CSSの削除、CSSファイルの圧縮などを行いましょう。

・オフスクリーン画像の読み込みが早すぎる
ファーストビュー外の画像をすべて読み込んでしまうと、ユーザーに見えないのに遅くなります。
遅延読み込み(Lazy Load)の導入が有効です。

モバイル対応は特に注意

診断結果を見ていると、PCよりもモバイルのスコアが著しく低いケースがよくあります。
モバイルは通信環境が不安定な上、端末性能も人によって大きく違います。

そのため、「スマホで見たときにどうか?」を基準に最適化を進めることが、いまでは当たり前の視点になっています。
とくに、ファーストビューの読み込みスピードは直帰率やCVRに強く影響します。

SEOやアクセシビリティのチェックもできる

PageSpeed Insightsは、単に速度だけでなく「SEO対策」や「アクセシビリティ」まで含めて評価してくれるのも特徴です。

・インデックス可能か
・クロールブロックされていないか
・alt属性やaria属性の設定が適切か

こうした情報が一覧で確認できるので、定期的なサイト健康診断ツールとして活用するのもおすすめです。

PageSpeed Insightsをマーケティングに活かす

PageSpeed Insightsは、エンジニアだけのものではなく、マーケティング担当者にこそ活用してほしいツールです。

技術的な背景まで深く理解する必要はありません。まずはURLを入力して、出てきたスコアや指標を「改善の出発点」として見るだけでも、大きな前進になります。

少しずつでも改善を重ねていくことで、検索順位の向上、離脱率の低下、CVの増加といった成果につながることも多くあります。

「最近なんとなく表示が遅い」「SEOの伸びが鈍ってきた」
そんなときは、まずPageSpeed Insightsで一度チェックしてみるのがおすすめです。

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