成果につながるデザインとは?業務で実感した10のルール

BtoBの現場で日々マーケティングや営業支援に関わっていると、つくづく「デザインの影響力」を感じます。
提案資料、LP(ランディングページ)、広告バナーなど…伝えたい内容があるからこそ、“見せ方の設計”が成果を左右する場面は多いものです。
今回は、業務の中で学んできた「伝わりやすいデザイン」のルールをまとめてみました。特にBtoBのデジタル施策において有効だと感じているポイントを中心に構成しています。
人物やビジュアルを「わかりやすく・印象的に」
ページや資料の最初に視線が向かうのは、やはり「人の顔」や印象的なビジュアルです。
特にBtoBのLPや企業案内では、誰が関わっているか、どんな雰囲気なのかが視覚的に伝わることで、安心感を持ってもらえることがあります。
最近では、リアルな人物写真に限らず、シンプルな線画イラストや抽象的な構図も使われますが、どんなビジュアルでも「見る人が一瞬で意味を理解できる」ことが重要です。
キャッチコピーは「短く、読みやすく」
ファーストビューで配置するメインコピーは、読みやすさと要点の明確さがポイントです。
長文になりすぎず、10〜15文字程度で「誰向けか」「何を提供するか」が伝わる構成が望ましいと感じます。
特にスマートフォンでの閲覧が主流の今では、1行で収まるサイズ感・レイアウト設計を前提にした方が、結果的にスクロール率も上がります。
「1ページ1メッセージ」の考え方を持つ
デザインを考える際、つい多くの情報を盛り込みたくなるものですが、読み手にとって分かりやすいのは“1ページ1メッセージ”の構成です。
LPの場合であれば、ファーストビューでは「誰に」「何を」伝えるのかを明示し、その下のセクションでは「なぜ」「どうやって」解決できるのかを段階的に説明する。
こうした流れを持たせることで、読み手の理解と行動がスムーズになります。
色は「印象と視認性」を両立させる
カラー設計では、キーカラーを1〜2色に絞り、背景・文字とのコントラストを意識することが重要です。
伝えたい情報が淡い色で埋もれてしまったり、複数の色が混在して読みにくくなったりすることは避けたいところです。
また、ボタンやCTAの色だけを変えるなど、色で視線を誘導する考え方も有効です。
フォント設計は「種類を抑えて、サイズでメリハリを」
フォントは、種類を使い分けるよりも、サイズや太さ、余白の取り方でメリハリをつける方が、視認性も統一感も高くなります。
特に資料やLPの場合、見出し・本文・補足情報の階層が分かりやすくなるよう、あらかじめスタイルをルール化しておくと効果的です。
余白は「情報整理のための設計要素」として扱う
情報を詰め込むよりも、余白をしっかり確保して内容を整理して見せる方が、読みやすさが向上するというのは、BtoBでもBtoCでも共通の原則です。
特にモバイルデバイスでの閲覧時は、タップのしやすさや行間のゆとりが、そのまま操作性や読みやすさにつながるため、UI視点での“間の設計”も忘れないようにしています。
装飾は「必要最小限、目的に合わせて」
シャドウ、グラデーション、動きのあるアニメーション…
近年はノーコードツールなどでも装飾が手軽に入れられるようになりましたが、装飾が過剰になると、かえって伝えたい要点がぼやけるケースもあります。
強調したい箇所だけ太字にする、CTA周辺だけを色で囲むなど、視覚の優先順位を整理することが目的であれば、装飾はむしろ控えめな方が伝わる印象があります。
視線誘導は「Zの法則」と「スマホでの動線」に配慮する
PCではZ型の視線、スマホでは縦スクロールと親指の可動域が前提になります。
そのため、ファーストビューでキャッチ→特徴→CTAという流れを意識しつつ、スマホではCTAが下部にも表示される設計が有効です。
また、1セクションごとに「次を読みたくなる」要素を入れることで、途中離脱を防ぐことができます。
図解やアイコンは「読み飛ばされない補足」として使う
とくにBtoBでは、文章だけだと内容が伝わりづらいことが多いため、補足情報として図解やアイコンを効果的に使うケースが増えています。
ポイントは、図やアイコンだけで概要が伝わるようにすること。
パワーポイント資料でも、「読み手が5秒で概要をつかめる設計」があると、それだけで説得力が増します。
細部の設計こそが「信頼感」をつくる
最終的に重要なのは、デザインの細部まで気が配られているかという点です。
行間の設定、CTAボタンの押しやすさ、フォントの統一、レスポンシブ対応の精度。
こういった要素は、一見地味ですが、見る人に「この会社はきちんとしている」と思ってもらえる信頼要素になります。
とくにBtoB領域では、この安心感が商談の初期段階での心理に影響することもあるため、制作時は常に意識しています。
「整っているかどうか」が伝わる力を決める
見た目が華やかかどうかよりも、「読みやすく、理解しやすく、行動しやすいか」という視点でデザインを組み立てることが、結果につながると感じています。
今回ご紹介した内容は、あくまで業務の中で見つけてきた実践的なルールや考え方ですが、同じように資料やLP制作に悩む方のヒントになれば幸いです。